上野山 茉莉 自己紹介へ

受け継がれる住まいの話 ―暮らしと住まいの相続ノート④―

公開日:2026/06/04(木) 更新日:2026/06/04(木) すべて
空き家を放置するとどうなる?

「いつか何とかしよう」が大きな負担になる前に

親御さんが住んでいた実家や、相続したものの利用予定のない住まい。

「まだ使うかもしれない」
「思い出があるから手放せない」
「忙しくてなかなか手続きが進まない」

そんな理由から、そのままになっている空き家は少なくありません。

しかし、空き家は人が住まなくなった瞬間から少しずつ傷み始めます。

換気が行われなくなることで湿気がこもり、建物の劣化が進みやすくなります。庭木や雑草も伸び、知らないうちに近隣へ影響を与えてしまうこともあります。

また、空き家を所有している限り、

・固定資産税
・建物の維持管理費
・修繕費

などの費用も発生しています。

さらに、長期間管理されていない空き家は、自治体から「特定空き家」と判断される場合もあります。周辺環境への悪影響や倒壊の危険性などが認められると、行政から改善指導を受けることもあります。空き家は放置期間が長くなるほど管理や活用の選択肢が少なくなってしまいます。

「まだ大丈夫」が続くと、もっと大変になることも

空き家でよくあるのが、

・兄弟で共有名義になっている
・相続登記が終わっていない
・誰が管理するのか決まっていない

というケースです。

時間が経つほど相続人が増えたり、連絡が取りづらくなったりして、売却や活用の話し合いそのものが難しくなることもあります。

そのため、

・今後住む予定はあるのか
・リフォームやリノベーションで活用できるのか
・売却という選択肢はあるのか

を早めに整理しておくことが大切です。

相続の話は「相続」から始めなくてもいい

相続という言葉を聞くと、

「まだ親は元気だから」
「お金の話はしづらい」
「家族で話題にしにくい」

と感じる方も多いと思います。

実際には、

・実家のリフォームを考えたとき
・建替えを検討し始めたとき
・親御さんの住み替えを考えたとき
・FPセミナーに参加したとき

などが、ご家族で将来について話すきっかけになることが少なくありません。

相続対策というよりも、

「これからこの家をどうしていこうか」

という会話から始めてみるだけでも十分な一歩です。

受け継いだ住まいを活かすという選択肢

空き家になった住まいは、

「売却する」
「解体する」

だけが選択肢ではありません。

近年では、祖父母様や親御様から受け継いだ住まいをリノベーションし、新たな暮らしの場として活用される方も増えています。

また、ご親族から譲り受けた住まいに手を加え、自分たちらしい暮らしを実現されるケースもあります。

実際にウエストビルドでも、

・ご実家のリノベーション
・増築を伴う住み継ぎリフォーム
・親族から譲り受けた住まいの再生
・性能向上を兼ねたフルリノベーション

などのご相談をいただいています。

住まいには、ご家族の歴史や思い出が詰まっています。

だからこそ、

「壊す」
「売る」

だけではなく、

「受け継ぎながら、これからの暮らしに合わせてアップデートする」

という選択肢もあります。

住まいのこれからを考えるきっかけに

空き家になってから慌てて考えるのではなく、今のうちから家族で少しずつ話し合っておくことが、将来の大きな安心につながります。

大切な住まいを、次の世代へ。

その住まいをどう受け継ぎ、どう活かしていくのか。

そんなことを考えるきっかけとして、このシリーズがお役に立てば幸いです。

 

次回は「受け継いだ住まいをリノベーションするという選択肢」
リノベーションの事例などをご紹介させて頂きます

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